「人がその本性を最も露呈するのは、何に笑うかにおいてである」

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1749年8月28日~1832年3月22日
  • ドイツ出身
  • 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家

英文

“There is nothing in which people more betray their character than in what they laugh at.”

日本語訳

「人がその本性を最も露呈するのは、何に笑うかにおいてである」

解説

この名言は、人間の笑いの対象が、その人の価値観や内面を如実に映し出すという深い洞察を示している。人はしばしば意識せずに笑うが、その無意識の反応こそが本性を表すというのがこの言葉の核心である。ゲーテは、理性と感情の交差点にある人間の心理を精緻に描いた作家であり、笑いという一見無邪気な行動が、人間理解の鍵となることを見抜いていた。

この言葉の背景には、軽薄な嘲笑、他者を貶める笑い、あるいは知的で温かみのあるユーモアなど、それぞれが人格の一部を暴露するという考え方がある。たとえば、他人の不幸や愚かさを笑う者は、内に優越感や冷酷さを宿している可能性がある。一方で、繊細な風刺や人間の滑稽さへの共感を笑う者には、成熟した感受性が感じられる

現代でも、SNSやメディアにおける「笑い」の在り方がしばしば問題になる。差別的なジョークや悪意あるミームが拡散される一方で、それを面白いと感じるか否かがその人の倫理観や知性を問うものとなっている。この名言は、人を理解するにはその行動よりも、何を面白いと感じるかを見よという鋭い人間観察を私たちに提示している。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る