「世界は常に同じままである」

- 1749年8月28日~1832年3月22日
- ドイツ出身
- 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家
英文
“The world remains ever the same.”
日本語訳
「世界は常に同じままである」
解説
この名言は、人間の歴史や文明がいかに変化しようとも、本質的な世界の構造や人間性は変わらないという、ゲーテの厳しい観察に基づく世界観を示している。進歩や革新がうたわれる一方で、欲望、争い、愛、愚かさ、知恵といった根源的な事象は、古代から現代に至るまで繰り返されてきた。この言葉には、変化の中の不変を見抜く哲学的な視点が込められている。
ゲーテはロマン主義と古典主義の間に立ち、激動の時代を生きた人物であるが、その中で彼が見出したのは、人間の営みが時代の形を変えても本質は変わらないという感覚である。たとえば、科学や制度が進歩しても、人間の本能的な欲求や道徳的な葛藤は根本的には変化しない。この言葉は、変化を過大に評価せず、本質に目を向けよという冷静な忠告でもある。
現代においても、技術革新や価値観の変動が激しい中で、ゲーテのこの言葉は浮足立つ進歩信仰への警鐘となる。たとえば、SNSやAIといった新しい手段が登場しても、それを使う人間の心理や動機は古典時代と本質的に変わっていない。人間の内面と社会の本質が変わらぬ限り、世界は本質的に「同じまま」であるというこの名言は、真の変化とは何かを考える契機となる、深い省察の言葉である。
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