「人間の奇妙な運命は、最悪の災厄の中にあってさえ、なお一層の最悪を恐れ続けることにある」

- 1749年8月28日~1832年3月22日
- ドイツ出身
- 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家
英文
“It is the strange fate of man, that even in the greatest of evils the fear of the worst continues to haunt him.”
日本語訳
「人間の奇妙な運命は、最悪の災厄の中にあってさえ、なお一層の最悪を恐れ続けることにある」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この名言は、人間の不安や恐怖が、現実の苦境を超えてさらに深い絶望を想像し続けるという、心理的性質の逆説的な本質を表している。すでに極限の状況に置かれているにもかかわらず、人間はそこからさらに悪化する可能性を恐れる。それは、理性ではなく想像力と感情が、苦悩を増幅させる働きを持っているという観察に基づいている。
ゲーテは、人間の精神構造に深い関心を寄せた作家であり、特に恐怖や苦悩といった極限状況下での人間の内面の働きを繰り返し描いた。彼の作品には、現実の苦しみ以上に、それを先回りして恐れる心の動きが、いかに人間を縛り、絶望させるかという主題がしばしば現れる。この言葉は、その洞察を簡潔かつ力強く表現したものである。
現代社会においても、戦争、災害、経済危機などの大きな困難に直面している中で、「まだこれ以上に悪くなるのでは」という恐れが人々を追い詰めることがある。この名言は、苦境の中においてもなお恐怖に囚われ続ける人間の性を見つめ、同時にそれに気づくことの大切さを示唆している。ゲーテは、本当の闘いは外的な悪ではなく、内なる想像の恐怖に打ち勝つことであると静かに語っているのである。
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