「なすべき仕事を持つ者は、どちらの側につくかを知っていなければならない。そうでなければ、その仕事に値しない」

- 1749年8月28日~1832年3月22日
- ドイツ出身
- 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家
英文
“He who has a task to perform must know how to take sides, or he is quite unworthy of it.”
日本語訳
「なすべき仕事を持つ者は、どちらの側につくかを知っていなければならない。そうでなければ、その仕事に値しない」
解説
この名言は、責任ある立場にある者には、曖昧な中立ではなく、明確な立場を取る覚悟と判断力が求められるというゲーテの信念を示している。「take sides(立場を明確にする)」とは、単に感情的に偏ることではなく、倫理的・政治的・思想的な選択を意識的に行うことを意味する。つまり、課題を遂行するためには、自らの価値観や信念に基づいた行動をとる覚悟が不可欠であるということだ。
ゲーテは行動する知識人であり、文学者であると同時に政治や行政にも関わった人物である。その経験から、中途半端な姿勢や責任回避的な態度は、重大な任務や役割を担う者にふさわしくないと理解していた。何かを「実行する」ということは、常に判断を伴い、その判断には善悪や是非といった立場が含まれる。この名言は、判断を避けて傍観する者は、そもそもその任務を果たす資格がないという厳しい倫理的姿勢を語っている。
現代においても、リーダーシップ、報道、教育、政治など、影響力のある仕事を担う人々にとって、この言葉は強い警鐘となる。「中立」を装うことが無責任につながる場面は少なくなく、真に価値ある仕事をするには、時にリスクを取ってでも明確な態度を貫く勇気が必要である。ゲーテのこの言葉は、立場を定めることこそが行動の第一歩であり、その覚悟がなければ仕事の本質にたどり着けないという、普遍的で力強い倫理の表明である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?