「イングランド王よ、そして自らをフランス王国の摂政と称するベッドフォード公よ…天の王への負債を清算しなさい。あなたたちがフランスで奪い、穢したすべての善良な町の鍵を、天の王の使者である乙女に返しなさい」

- 1412年頃~1431年5月30日
- フランス王国出身
- 農民の娘、軍指導者、宗教的指導者
英文
“King of England, and you, duke of Bedford, who call yourself regent of the kingdom of France… settle your debt to the king of Heaven; return to the Maiden, who is envoy of the king of Heaven, the keys to all the good towns you took and violated in France.”
日本語訳
「イングランド王よ、そして自らをフランス王国の摂政と称するベッドフォード公よ…天の王への負債を清算しなさい。あなたたちがフランスで奪い、穢したすべての善良な町の鍵を、天の王の使者である乙女に返しなさい」
解説
この言葉はジャンヌ・ダルクがイングランドに対して発した厳しい警告であり、彼女の政治的、宗教的使命感を如実に表している。百年戦争の最中、ジャンヌは自らを「天の王」の使者と位置づけ、フランスの町々を不当に占領したイングランド軍に対し、神の名において正義を訴えた。ここには神の正義と自国フランスの回復を強く求める意志が込められている。
現代に置き換えれば、この言葉は不当な侵略や支配に対する正当な抵抗の意義を教えている。国際社会では、侵略行為を非難し、被害を受けた側が正義を訴えることが重要視されるが、ジャンヌはすでに15世紀においてこの理念を体現していた。
たとえば、近年の国家間の領土紛争においても、被害国が国際法や道義に訴えて正当な権利を回復しようとする行動が見られる。ジャンヌのこの言葉は、正義の回復と誇りある抵抗の精神が時代を超えて人々に受け継がれていることを示している。
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