「私たちは飼いならされた動物であり、自ら築いた檻の中をぐるぐる回っている――その檻には争いや口論、どうしようもない政治指導者たち、そして私たちの自惚れを利用し、同時に自らの自惚れをも洗練された方法で、あるいはむしろ粗雑に利用する導師たちがいる」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”We are domesticated animals, revolving in a cage which we have built for ourselves – with its contentions, wranglings, its impossible political leaders, its gurus who exploit our self-conceit and their own with great refinement or rather crudely.”

日本語訳

「私たちは飼いならされた動物であり、自ら築いた檻の中をぐるぐる回っている――その檻には争いや口論、どうしようもない政治指導者たち、そして私たちの自惚れを利用し、同時に自らの自惚れをも洗練された方法で、あるいはむしろ粗雑に利用する導師たちがいる」

解説

この言葉は、人間社会が自己によって作られた檻の中にあるという鋭い批判を表している。クリシュナムルティは、人間が自由を求めながらも実際には自らの恐れや欲望によって構築された制度や思想に縛られていると考えた。その檻の中では、争いや混乱が繰り返され、政治や宗教の指導者たちが人々の弱さにつけ込む。

ここで注目すべきは、自らの共犯性である。檻は外部から与えられたものではなく、私たち自身が築いたものだという点に重要な意味がある。人は安心や権威を求めることで、政治的指導者や宗教的導師に依存し、その結果としてさらに搾取と支配を許してしまうのである。

現代においても、この比喩はなお鮮烈である。権威主義的な政治、商業化された宗教、そしてメディアや文化による欲望の操作は、まさに人間が自ら築いた檻の表れである。クリシュナムルティの言葉は、私たちが檻に閉じ込められているという事実を直視し、その檻を作り出している自分自身を理解することが解放の第一歩であることを示している。

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