「人は未知を恐れるのではない。恐れているのは、既知のものが終わることである」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”One is never afraid of the unknown; one is afraid of the known coming to an end.”

日本語訳

「人は未知を恐れるのではない。恐れているのは、既知のものが終わることである」

解説

この言葉は、恐怖の本質を鋭く指摘している。人間は「未知そのもの」を恐れているとよく言われるが、クリシュナムルティはそれを否定する。実際に恐れているのは、慣れ親しんだ生活、関係、信念といった「既知のもの」が失われることなのである。つまり、恐怖の根源は未知そのものではなく、既知の終焉にある。

この洞察は、心理的な執着の働きを浮き彫りにする。人は安定や継続を望み、それが崩れる可能性に強い不安を抱く。そのため未知が現れるとき、それ自体を恐れるのではなく、「既存の秩序が終わること」への恐怖として経験するのである。ここに、安心への執着と恐怖が表裏一体であることが示されている。

現代社会においても、この視点は極めて重要である。仕事の変化や人間関係の終わり、新しい環境への移行などに直面したとき、人々は未知を恐れると言うが、実際には「慣れたものを失う痛み」に直面している。クリシュナムルティの言葉は、既知への執着を理解し手放すことが恐れを超える鍵であることを教えている。

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