「深く病んだ社会にうまく適応することは、健康の尺度にはならない」

- 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
- インド出身
- 思想家、精神的指導者
英文
”It is no measure of health to be well adjusted to a profoundly sick society.”
日本語訳
「深く病んだ社会にうまく適応することは、健康の尺度にはならない」
解説
この言葉は、社会への適応と個人の健全さの関係を鋭く批判するものである。クリシュナムルティは、社会が根本的に病んでいる場合、その社会に順応することはむしろ不健全であると指摘する。適応力は一見望ましい特性のように見えるが、もし社会自体が暴力、貪欲、差別、腐敗に満ちているなら、そこに適応することは真の意味での健康や成熟を示すものではない。
ここでの重要な視点は、社会的基準と人間の本質的な健全さのずれである。社会が病んでいるにもかかわらず、そこで「普通」に生きることができる人は、むしろ異常な状況に麻痺しているとも言える。したがって、本当の健康とは現状に従うことではなく、社会の病理を見抜き、それに染まらない心を保つことにある。
現代においても、この言葉は強い意味を持つ。消費至上主義、過労、環境破壊、差別構造など、深刻な問題を抱えた社会に適応しているからといって、それは健全さの証ではない。クリシュナムルティの言葉は、現状への適応ではなく、そこからの自由と批判的な目が真の健康をもたらすことを強調しているのである。
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