「欲望という幕を通して聞くなら、あなたは明らかに自分自身の声を聞いているのであり、自分の欲望を聞いているのである」

- 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
- インド出身
- 思想家、精神的指導者
英文
”If you listen through the screen of your desires, then you obviously listen to your own voice; you are listening to your own desires.”
日本語訳
「欲望という幕を通して聞くなら、あなたは明らかに自分自身の声を聞いているのであり、自分の欲望を聞いているのである」
解説
この言葉は、欲望が認識を歪める仕組みを示している。クリシュナムルティは、人間が他者や出来事に耳を傾けるときでも、心の中に欲望があると、それを通してしか聞けないと指摘する。その結果、私たちは相手の言葉や現実そのものではなく、欲望によって作り出された自己の投影を聞いているに過ぎないのである。
ここでの核心は、欲望が真の理解を妨げるという点である。聞いているつもりでも、実際には自分の期待や恐れを確認しているだけであり、それは自己中心的な反響にすぎない。この「欲望の幕」を意識的に理解し取り払うことで、初めて対象をありのままに見ることが可能になる。
現代社会においても、この洞察は極めて実践的である。人間関係においても、欲望や先入観を通して相手の言葉を解釈すれば、真の対話は成立しない。ニュースや情報に触れる際も、自らの期待に沿うものばかりを受け入れる傾向がある。クリシュナムルティの言葉は、欲望を通さずに聞くことこそが本当の理解と自由をもたらすことを教えている。
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