「もし私たちが自然と深く永続する関係を築くことができれば、食欲のために動物を殺すことは決してなく、自分たちの利益のためにサルや犬やモルモットを傷つけたり、生体解剖したりすることも決してないだろう。私たちは傷を癒し、身体を治すための別の方法を見つけるはずである」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”If we could establish a deep abiding relationship with nature, we would never kill an animal for our appetite; we would never harm, vivisect, a monkey, a dog, a guinea pig for our benefit. We would find other ways to heal our wounds, heal our bodies.”

日本語訳

「もし私たちが自然と深く永続する関係を築くことができれば、食欲のために動物を殺すことは決してなく、自分たちの利益のためにサルや犬やモルモットを傷つけたり、生体解剖したりすることも決してないだろう。私たちは傷を癒し、身体を治すための別の方法を見つけるはずである」

解説

この言葉は、自然との根本的な関係の再構築を訴えている。クリシュナムルティは、人間が自然から切り離され、欲望や利益のために動物を利用している現実を批判する。もし自然と深い結びつきを取り戻せば、他の生き物を消費や実験の対象として扱うのではなく、共に生きる存在として尊重するようになるという洞察である。

ここで焦点となるのは、人間中心主義の限界である。人間が自らの欲望や利便性を優先する態度は、自然との断絶を深め、生命への暴力を正当化する。しかし自然を「関係」として捉え直すならば、動物を犠牲にせずとも、知恵や技術を通じて癒しの道を見出すことができるという希望が示されている。

現代社会でも、この言葉は大きな意義を持つ。動物実験や畜産の倫理問題、環境破壊などは依然として深刻である。クリシュナムルティの言葉は、自然との関係を愛と尊重に基づいて築き直すことが、人間の生き方を変える鍵であると示しており、環境倫理や動物福祉の根拠としても現代的な意味を持つのである。

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