「私は世界であることをしようとしており、それを揺るぎない集中力で行うつもりである。私が自らを関わらせている本質的なことはただ一つ、人間を解放することである。私は人間をあらゆる檻やあらゆる恐れから解放したいのであり、宗教や新しい宗派を創設することでも、新しい理論や新しい哲学を打ち立てることでもない」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”I want to do a certain thing in the world, and I am going to do it with unwavering concentration. I am concerning myself with only one essential thing: to set man free. I desire to free him from all cages, from all fears, and not to found religions, new sects, nor to establish new theories and new philosophies.”

日本語訳

「私は世界であることをしようとしており、それを揺るぎない集中力で行うつもりである。私が自らを関わらせている本質的なことはただ一つ、人間を解放することである。私は人間をあらゆる檻やあらゆる恐れから解放したいのであり、宗教や新しい宗派を創設することでも、新しい理論や新しい哲学を打ち立てることでもない」

解説

この言葉は、クリシュナムルティが生涯を通じて貫いた根本的な使命感を端的に表している。彼は幼少期に神秘主義団体によって「世界教師」として擁立されたが、やがてその立場を拒否し、組織や権威に依存しない独自の道を選んだ。その核心にあったのは、人間を精神的・心理的束縛から解放することである。

彼が拒んだのは、従来の宗教や哲学と同じように新たな枠組みを作ることであった。組織や教義は人々をさらに縛りつける檻となり、恐れを生むと考えたからである。彼の意図は、他者に従わせるのではなく、各人が自らの内面を観察し、直接的に真理を見出すよう導くことにあった。

現代社会においてもこの姿勢は重要な意味を持つ。人々は依然としてイデオロギーや権威、制度に縛られ、そこに安心を求める傾向が強い。しかし、クリシュナムルティの言葉は、真の自由は外部の枠組みに依存しない内的な覚醒から始まることを示している。これは個人が恐れや執着を超えて生きるための普遍的な指針である。

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