「大人になったら自分は何をするのか、と自分に問いかけたことがあるだろうか。おそらく結婚し、気がつけば母や父となり、その後は仕事や台所に縛られ、やがて徐々にしおれていくだろう。それがあなたの人生のすべてなのだろうか」

- 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
- インド出身
- 思想家、精神的指導者
英文
”Have you ever asked yourselves what you are going to do when you grow up? In all likelihood you will get married, and before you know where you are, you will be mothers and fathers; and you will then be tied to a job, or to the kitchen, in which you will gradually wither away. Is that all that your life is going to be?”
日本語訳
「大人になったら自分は何をするのか、と自分に問いかけたことがあるだろうか。おそらく結婚し、気がつけば母や父となり、その後は仕事や台所に縛られ、やがて徐々にしおれていくだろう。それがあなたの人生のすべてなのだろうか」
解説
この言葉は、人間の生き方に対する根源的な問いかけである。クリシュナムルティは、多くの人々が結婚や家庭、職業といった既定の道を無批判に歩み、その中で活力を失っていく現実を指摘している。彼は、それが人生の唯一のあり方なのかと問い直し、慣習に従うだけの生き方の空虚さを浮き彫りにしている。
ここで強調されているのは、生き方を自分で見出す必要性である。社会の流れに従うだけでは、人はやがて惰性と倦怠にとらわれ、真の自由や創造性を失う。結婚や仕事そのものを否定しているのではなく、それを「当然の道」として無意識に受け入れる姿勢を批判しているのである。
現代においても、この問いは大きな意味を持つ。社会の枠組みや期待に従うだけの生き方は、個人を閉塞感に追いやりやすい。クリシュナムルティの言葉は、自らにとっての真の生を問い、慣習を超えて新しい生き方を見出す勇気を促しているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?