「私たちのほとんどにとって、他者との関係は経済的あるいは心理的依存に基づいている。この依存が恐怖を生み、所有欲を育て、摩擦や疑念、欲求不満を生じさせる」

- 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
- インド出身
- 思想家、精神的指導者
英文
”For most of us, relationship with another is based on dependence, either economic or psychological. This dependence creates fear, breeds in us possessiveness, results in friction, suspicion, frustration.”
日本語訳
「私たちのほとんどにとって、他者との関係は経済的あるいは心理的依存に基づいている。この依存が恐怖を生み、所有欲を育て、摩擦や疑念、欲求不満を生じさせる」
解説
この言葉は、依存を基盤とした人間関係の危うさを鋭く指摘している。クリシュナムルティは、人が他者に依存すること自体が恐怖の根源となり、それが所有欲や嫉妬、摩擦を生み出すと説く。愛や友情といった関係性が純粋でなくなるのは、この依存が背後に潜んでいるからである。
ここでの核心は、愛と依存の違いである。依存は相手に自分の安心や幸福を委ねることであり、それを失うことへの恐怖から執着や支配心を生む。それに対して、愛は自由を基盤としており、相手を支配せず、恐怖からも解放されている。依存的な関係は必然的に摩擦や不満を引き起こし、真の調和を妨げる。
現代社会においても、この洞察は重要である。経済的安定や心理的慰めを相手に求めすぎる関係は、崩壊や対立の原因となる。クリシュナムルティの言葉は、人間関係を恐怖や依存ではなく自由と理解に基づいて築くことの必要性を示しており、健全なつながりを考える上で普遍的な指針を与えているのである。
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