「私たちは皆、教育と環境によって、自己の利益と安心を求め、自分のために闘うように訓練されてきた。心地よい言葉でそれを覆い隠してはいるが、私たちは搾取と貪欲な恐れに基づいた体制の中で、様々な職業に就くための教育を受けてきた」

- 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
- インド出身
- 思想家、精神的指導者
英文
”All of us have been trained by education and environment to seek personal gain and security and to fight for ourselves. Though we cover it over with pleasant phrases, we have been educated for various professions within a system which is based on exploitation and acquisitive fear.”
日本語訳
「私たちは皆、教育と環境によって、自己の利益と安心を求め、自分のために闘うように訓練されてきた。心地よい言葉でそれを覆い隠してはいるが、私たちは搾取と貪欲な恐れに基づいた体制の中で、様々な職業に就くための教育を受けてきた」
解説
この言葉は、現代社会の教育と価値観の根底にある問題を指摘している。クリシュナムルティは、学校教育や社会環境が個人の利益追求と自己防衛を当然のこととして植え付けていると考えた。表向きには「成功」「安定」「社会貢献」といった前向きな言葉で飾られていても、その根底には恐怖と欲望が存在しているのである。
ここで注目すべきは、教育が単なる知識の伝達ではなく、社会体制に適応させる訓練になっているという批判である。その体制自体が競争や搾取に基づいているため、個人は無意識のうちに他者との対立や不安を前提に生きるようになる。つまり、教育は自由や探究心を育むどころか、従属と恐れを強化している。
現代社会においても、この洞察は色あせない。経済的成功や地位の獲得を中心とした教育は、人間を協力や創造性よりも競争と自己利益へと駆り立てる。クリシュナムルティの言葉は、教育のあり方を根本から見直し、恐れや搾取ではなく自由と理解を基盤とする学びを築く必要性を強く示している。
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