「すべてのイデオロギーは愚かである。それが宗教的であれ政治的であれ、概念的な思考、概念としての言葉こそが、不幸にも人間を分裂させてきたのだ」

- 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
- インド出身
- 思想家、精神的指導者
英文
”All ideologies are idiotic, whether religious or political, for it is conceptual thinking, the conceptual word, which has so unfortunately divided man.”
日本語訳
「すべてのイデオロギーは愚かである。それが宗教的であれ政治的であれ、概念的な思考、概念としての言葉こそが、不幸にも人間を分裂させてきたのだ」
解説
この言葉は、イデオロギーが人類を分断する根源であるという鋭い批判を示している。クリシュナムルティは、宗教や政治といった体系的な思想が人々を結びつけるのではなく、かえって対立や分裂を生み出してきたと断言する。言葉や概念は本来理解の道具であるはずだが、それが固定化され、イデオロギーに変質すると、人を隔てる壁となってしまう。
ここで注目すべきは、概念への依存の危うさである。人間は「神」「国家」「平等」といった言葉を絶対化し、それに従うことで安心を得ようとする。しかしそれらは抽象に過ぎず、現実を覆い隠し、異なる解釈や立場を生むことで争いを招く。したがって、イデオロギーに従う限り、人間は真に自由で平和な関係を築くことはできない。
現代社会でも、この言葉はきわめて重要である。国家主義や宗教対立、極端な政治思想の対立は、依然として世界に深刻な亀裂をもたらしている。クリシュナムルティの言葉は、真理はイデオロギーや概念の中にはなく、人間が直接に現実を観ることの中にしか存在しないことを私たちに教えているのである。
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