「総力戦とは、もはや一つの国民共同体のすべての人が他の国民共同体のすべての人と戦うものではない。それは『総力』であり…世界全体を巻き込む可能性があるからだ」

ジャン=ポール・サルトル
ジャン=ポール・サルトルの名言
  • 1905年6月21日~1980年4月15日
  • フランス出身
  • 哲学者、小説家、劇作家
  • 実存主義を提唱し、『存在と無』や『嘔吐』を通じて20世紀思想に大きな影響を与えた

英文

“Total war is no longer war waged by all members of one national community against all those of another. It is total… because it may well involve the whole world.”

日本語訳

「総力戦とは、もはや一つの国民共同体のすべての人が他の国民共同体のすべての人と戦うものではない。それは『総力』であり…世界全体を巻き込む可能性があるからだ」

解説

この名言は、サルトルが戦争の性質の変化とその影響について述べたものである。彼は、「総力戦」が単なる国家間の戦いではなく、世界全体に影響を及ぼす新たな戦争形態となり得ることを指摘している。従来の戦争が特定の国民や国土の範囲内での対立だったのに対し、現代の総力戦は技術の進歩やグローバルな相互依存の影響によって、他国のみならず、地球規模での危機を生み出す可能性があるという見解が示されている。

また、この言葉は、戦争の無差別性と広範な影響力を強調している。総力戦では、戦闘の範囲が国境を超え、直接関係のない国や地域にも影響が及ぶことがある。戦争によって世界全体が巻き込まれるという考えは、国家間の戦争がもはや一国の問題ではなく、地球規模の災害として扱われるべきであるとする警鐘を鳴らしている。サルトルは、戦争がグローバルな規模での影響力を持つ以上、国際社会全体での対策と責任が求められるという認識を示している。

さらに、この名言は、平和と国際協力の必要性を再考するきっかけを提供している。サルトルは、戦争の影響が国際社会全体に波及する現代において、戦争を防ぎ、平和を維持するための協力と対策がいかに重要であるかを示唆している。総力戦の影響が全世界に及ぶ可能性を考えると、戦争を超えた人類全体としての取り組みが不可欠であるというメッセージが込められており、平和への国際的な努力の必要性を強調している。

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