「貧しい人間には二種類ある。一つは共に貧しい人々であり、もう一つは一人で貧しい人々だ。前者が本当の貧者であり、後者は運に見放された富者にすぎない」
- 1905年6月21日~1980年4月15日
- フランス出身
- 哲学者、小説家、劇作家
- 実存主義を提唱し、『存在と無』や『嘔吐』を通じて20世紀思想に大きな影響を与えた
英文
“There are two types of poor people, those who are poor together and those who are poor alone. The first are the true poor, the others are rich people out of luck.”
日本語訳
「貧しい人間には二種類ある。一つは共に貧しい人々であり、もう一つは一人で貧しい人々だ。前者が本当の貧者であり、後者は運に見放された富者にすぎない」
解説
この名言は、サルトルが貧困と人間関係について深く考察したものと解釈できる。彼は、貧困を単に経済的な状態として捉えるのではなく、人とのつながりや孤独感といった視点から考えている。共に貧しさを共有する人々は、互いに支え合い、連帯感や絆を持つことができるため、本当の意味での貧者であるとサルトルは考えた。一方で、一人で貧しさに苦しむ人は、運が悪かっただけであり、富裕層と同じように孤立しているとみなしている。
この言葉には、人間関係と貧困の意味が含まれている。貧しさが経済的な問題だけでなく、孤独や孤立に影響されることが多く、他者とともに困難を分かち合うことで、その状況は多少なりとも和らぐとされる。サルトルは、他者との関係が貧困の定義において重要な要素であり、共に支え合う貧しさこそが人間の尊厳や連帯の意義を象徴するものだと考えている。
さらに、この名言は孤立した貧困が生む虚しさについても指摘している。運に見放された「富者」とされる一人での貧しさには、社会的なつながりや共感が欠けており、その状態は真の貧困ではないという考えが込められている。サルトルは、他者との関係がある中での貧困は尊厳や連帯感を維持することができると考え、人間関係が貧困における意味を大きく左右することを強調している。
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