「実存主義者は即座に、人間は苦悩であると言う」
- 1905年6月21日~1980年4月15日
- フランス出身
- 哲学者、小説家、劇作家
- 実存主義を提唱し、『存在と無』や『嘔吐』を通じて20世紀思想に大きな影響を与えた
英文
“The existentialist says at once that man is anguish.”
日本語訳
「実存主義者は即座に、人間は苦悩であると言う」
解説
この名言は、サルトルが実存主義における人間の本質的な苦悩について述べたものである。実存主義において、人間は本来、自由な存在であるとされるが、その自由ゆえに自己の選択と責任に対する深い苦悩や不安を抱える。サルトルが言う「苦悩」は、他者から押し付けられるものではなく、自由な存在であるがゆえに自己の行動に完全な責任を負わなければならないという存在そのものに内在する重圧を指している。これにより、実存主義者にとって人間はその本質において苦悩を避けられない存在であると捉えられる。
また、この言葉は、自己決定と自己責任の意識がもたらす苦悩の重要性を強調している。実存主義における自由とは、自らの行動や価値を他者に依存せずに選び取ることであり、それゆえに人は常に選択の自由とそれに伴う責任に直面する。このように、実存主義者にとっての苦悩とは、自由と責任が引き起こす避けられない不安や葛藤であり、自己の選択が自己と他者に対する影響力を持つことに対する意識の表れでもある。
さらに、この名言は、人間の成長と自己理解における苦悩の役割を示唆している。苦悩を受け入れ、それを自己の一部として認識することで、人間は自己の本質や生きる意味をより深く理解することができる。サルトルの言葉は、苦悩を単なる苦しみとして否定するのではなく、それを通じて自己の存在と自由を肯定し、成長する機会として捉えるべきだという実存主義の視点を強調している。
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