「もし私が哲学者になったとしたら、そして今もなお待っているこの名声を熱心に求めたのだとしたら、それは基本的に女性を魅了するためだった」
- 1905年6月21日~1980年4月15日
- フランス出身
- 哲学者、小説家、劇作家
- 実存主義を提唱し、『存在と無』や『嘔吐』を通じて20世紀思想に大きな影響を与えた
英文
“If I became a philosopher, if I have so keenly sought this fame for which I’m still waiting, it’s all been to seduce women basically.”
日本語訳
「もし私が哲学者になったとしたら、そして今もなお待っているこの名声を熱心に求めたのだとしたら、それは基本的に女性を魅了するためだった」
解説
この名言は、サルトルが哲学的な追求の動機を少しユーモラスに語ったものである。ここでは、学問や哲学の探求が純粋な知的好奇心だけでなく、個人的な欲望や動機とも結びついていることを示している。哲学の探究や名声への渇望が、女性を惹きつけたいという一種の欲望に基づいていると述べることで、自己の人間的な一面や欠点を含めた複雑な内面を率直に表現している。
また、この言葉には知識や名声の追求に潜む人間的な欲望が示唆されている。人はしばしば高尚な目的のために努力をしているように見えるが、その裏には自己の満足や社会的な承認、他者からの注目といった個人的な動機が潜んでいることがある。サルトルは、哲学者としての自分も例外ではなく、知識や名声への探求が純粋な理想だけではなく、個人的な欲望と密接に関係していることを認めている。この率直さは、知識人や芸術家の内面的な葛藤に共通するテーマであり、自己の本音を隠さない姿勢を示している。
さらに、この名言は、人間の複雑な動機と自己認識についても考えさせられる。サルトルは、高尚に見える行動の裏にある動機をユーモアを交えて明かすことで、知識や自己表現への欲望が、必ずしも純粋なものばかりではないことを示している。このようにして、彼は自らの欠点や人間らしい一面を見せるとともに、自己の真実に向き合い、それを認めることの価値を強調している。
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