「存在するものを否定し、存在しないものを説明しようとするのは、あらゆる時代の哲学者に共通する熱狂である」

ジャン=ジャック・ルソー
ジャン=ジャック・ルソーの名言
  • 1712年6月28日~1778年7月2日
  • ジュネーヴ出身
  • 哲学者、政治哲学者、作家、作曲家
  • 『社会契約論』で人民主権を提唱し、フランス革命や近代民主主義に影響を与えた

英文

“It is a mania shared by philosophers of all ages to deny what exists and to explain what does not exist”

日本語訳

「存在するものを否定し、存在しないものを説明しようとするのは、あらゆる時代の哲学者に共通する熱狂である」

解説

この言葉は、哲学者の思考傾向と矛盾についての批判的な観察を表している。ルソーは、哲学者が現実に存在するものに対して疑いを持ち、逆に抽象的で存在しないものに対して理論を構築する傾向があると指摘している。これは、現実を超越して物事の根本的な意味や本質を追い求めようとする哲学者の特質を皮肉ったものだといえる。このような姿勢は、時に現実から乖離した思索へと導くが、それが哲学の奥深さと難解さを生む要因でもある。

現代においても、哲学や理論的な学問は、しばしば抽象的な概念や仮想の問いを扱うため、実社会から遠ざかっているように見えることがある。しかし、こうした思索が新たな視点や理解の枠組みを提供し、人間の知識を広げることに貢献している。ルソーのこの言葉は、哲学が現実を問い直し、限界を押し広げる学問であることを示唆している。

さらに、この名言は、人間の探究心と疑念の本質についても触れている。現実に満足せず、より深い真実や隠れた意味を求めようとするのは人間の本性であり、それが哲学者をして存在の否定や未知の解明に駆り立てる。この言葉は、現実を越えて真実を探るという哲学の挑戦的な姿勢を浮き彫りにしている。

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