「速さはグラフィックの制作における最も高貴な美徳ではないが、それには奇妙な報いがある。どこかへ素早く到達する感覚は、生来のアメリカ的衝動を満たすのだ」

ジェームズ・サーバー(画像はイメージです)
  • 1894年12月8日~1961年11月2日(66歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、ユーモア作家

英文

”Speed is scarcely the noblest virtue of graphic composition, but it has its curious rewards. There is a sense of getting somewhere fast, which satisfies a native American urge.”

日本語訳

「速さはグラフィックの制作における最も高貴な美徳ではないが、それには奇妙な報いがある。どこかへ素早く到達する感覚は、生来のアメリカ的衝動を満たすのだ」

解説

この名言は、創作における速度と価値の関係をユーモラスに語っている。サーバーは、速さが必ずしも芸術的完成度に結びつくわけではないと認めつつも、そこにある種の満足感があることを認めている。特に「どこかへ早くたどり着く感覚」を、アメリカ的な性急さや行動主義と結びつけている点に特徴がある。

時代背景として、20世紀前半のアメリカは産業化とスピードの時代であった。大量生産、通信や交通の発達は、人々に「迅速さ」への価値観を植え付けた。サーバーはその文化的背景を反映しつつ、芸術や創作における「速さ」が持つ両義性――完成度を犠牲にする一方で、達成感を生む――を指摘しているのである。

現代においても、この言葉は意義を持つ。デジタル時代のコンテンツ制作やSNSでは、速さが重視され、質とのバランスが常に問われる。サーバーの言葉は、速さの魅力と危うさを同時に示す警句として、クリエイターや情報発信者に今なお響くのである。

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