「昨夜私は、盲人だけが味わえるささやかな慰めを夢に見た――『誰も私が見なかった苦難を知らない』ということを」

ジェームズ・サーバー(画像はイメージです)
  • 1894年12月8日~1961年11月2日(66歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、ユーモア作家

英文

”Last night I dreamed of a small consolation enjoyed only by the blind: Nobody knows the trouble I’ve not seen!”

日本語訳

「昨夜私は、盲人だけが味わえるささやかな慰めを夢に見た――『誰も私が見なかった苦難を知らない』ということを」

解説

この名言は、ことわざの逆転とユーモアを基盤にしている。もともと有名な黒人霊歌の一節に「Nobody knows the trouble I’ve seen(誰も私の経験した苦難を知らない)」というものがある。サーバーはそれをもじり、視覚障害者が「見なかった」苦難を持ち出すことで、悲劇を喜劇に変える逆説的な発想を示している。

時代背景として、この言葉はサーバーが好んだ言葉遊びと風刺の一例である。20世紀前半のアメリカにおいて、障害や苦難はしばしば深刻に語られる対象であった。しかし彼はそこにあえてユーモアを持ち込み、人生の重さを軽やかにする姿勢を示した。これは悲しみや不幸を笑いで乗り越える知恵として解釈できる。

現代においても、この言葉は二重の意味で価値を持つ。ひとつは、不幸や欠落を逆手にとることで人生を肯定するユーモアの力であり、もうひとつは、言葉や表現の転倒によって新たな視点を得る発想力である。サーバーの言葉は、苦難そのものではなく、それをどう受け止めるかが人を救うという普遍的な真理をユーモアに包んで伝えているのである。

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