「財産を取得するという個人の権利は自然権であり、その財産が取得されたときには、それを保護する権利が社会的権利として与えられる」

- 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」
英文
”The personal right to acquire property, which is a natural right, gives to property, when acquired, a right to protection, as a social right.”
日本語訳
「財産を取得するという個人の権利は自然権であり、その財産が取得されたときには、それを保護する権利が社会的権利として与えられる」
解説
この言葉は、財産権の二重の性格を明確にしている。ジェームズ・マディソンは、財産を得る権利は人間が生まれながらに持つ自然権であるとした。しかし、取得された財産は社会秩序の中で保護される必要があり、その時点で財産権は社会的権利として位置づけられる。つまり、財産権は個人の権利であると同時に、社会が維持すべき制度的権利でもあると論じている。
背景には、啓蒙思想とアメリカ建国期の政治哲学がある。ジョン・ロックの思想では「生命・自由・財産」が自然権として位置づけられ、政府はそれを守るために存在するとされた。マディソンもこの伝統を受け継ぎつつ、財産権を個人と社会の双方に関わる権利として強調した。これは、個人の自由を守りながら社会秩序を維持するバランスを重視する立場である。
現代においても、この警句は有効である。財産権は憲法や法律で強く保護されているが、それは単に個人の利益を守るだけでなく、社会の安定と経済活動の基盤を成すためである。マディソンの言葉は、財産権を個人の自由と社会的責任の両面から理解する必要性を示しており、今日の社会契約的な視点からも重要な示唆を与えている。
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