「いかなる場合においても…教会が人々の自由の守護者であったことはない」

ジェームズ・マディソン(画像はイメージです)
ジェームズ・マディソン(画像はイメージです)
  • 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」

英文

”In no instance have… the churches been guardians of the liberties of the people.”

日本語訳

「いかなる場合においても…教会が人々の自由の守護者であったことはない」

解説

この言葉は、教会という制度が歴史的に人々の自由を守る役割を果たしてこなかったという厳しい指摘である。マディソンは宗教そのものの価値を否定していたわけではなく、むしろ国家や社会にとっての精神的基盤を認めていた。しかし、教会が組織として政治権力と結びつくと、人々の自由を抑圧する傾向が強まると考えていたのである。

ヨーロッパの歴史を見れば、宗教戦争や異端審問など、教会が権力と結びついた結果、多くの自由が制限され、迫害が生じた。マディソンが唱えた政教分離の原則は、この歴史的経験への反省から生まれたものであり、アメリカ合衆国における自由の基盤を築く上で不可欠であった。

現代社会においても、宗教と政治の距離をどう保つかは重要な課題である。マディソンの言葉は、制度としての教会は自由の守護者ではなく、むしろ自由を侵害する危険を孕むという警告であり、信仰と政治の健全な分離の必要性を強調している。

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