「もし真理の基準を投票の多数に求めるのであれば、その多数は理性を涵養する哲学的で愛国的な市民から得られるべきである」

ジェームズ・マディソン(画像はイメージです)
ジェームズ・マディソン(画像はイメージです)
  • 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」

英文

”If we are to take for the criterion of truth the majority of suffrages, they ought to be gotten from those philosophic and patriotic citizens who cultivate their reason.”

日本語訳

「もし真理の基準を投票の多数に求めるのであれば、その多数は理性を涵養する哲学的で愛国的な市民から得られるべきである」

解説

この言葉は、多数決と理性の関係を論じている。ジェームズ・マディソンは、多数決が政治における重要な方法であることを認めつつも、その多数が無知や激情に基づいて形成されるならば正しい結論には至らないと考えた。したがって、多数の判断が真理に近づくためには、理性を磨いた賢明で愛国心ある市民の参加が不可欠であると強調している。

背景として、18世紀末のアメリカでは民主主義が拡大する一方で、民衆の判断力や教育の不足が懸念されていた。マディソンを含む建国の父たちは、人民主権を維持するには教育を普及させ、理性的な市民を育成する必要があると強く意識していた。つまり、制度的多数決と同時に、市民の資質を高める教育的基盤が重視されたのである。

現代においても、この警句は重要である。情報が氾濫し、偏見やデマが多数の意見形成に影響する社会において、教育と理性を持つ市民の存在は不可欠である。マディソンの言葉は、多数決が真に民主主義の力となるためには、理性を涵養した市民の判断が支えなければならないという普遍的な真理を示している。

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