「専制は暗闇の中にしか存在し得ないが、今や政治の天にあまりにも多くの光が輝いているため、かつてほとんど至る所でそうであったように、どこかに専制が存続することはもはや許されない」

- 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」
英文
”Despotism can only exist in darkness, and there are too many lights now in the political firmament to permit it to remain anywhere, as it has heretofore done, almost everywhere.”
日本語訳
「専制は暗闇の中にしか存在し得ないが、今や政治の天にあまりにも多くの光が輝いているため、かつてほとんど至る所でそうであったように、どこかに専制が存続することはもはや許されない」
解説
この言葉は、専制政治と啓蒙・自由の広がりを対比している。ジェームズ・マディソンは、専制は情報が隠され、人々が無知のままに置かれる状況でこそ成立すると考えた。これに対し、啓蒙思想の普及や出版・報道の自由の拡大によって「光」が世界に行き渡れば、専制はその正体を隠せず崩壊に向かうと論じている。
背景として、18世紀末から19世紀初頭は啓蒙思想が世界各地に広がり、アメリカ独立やフランス革命といった民主化の潮流が専制に挑戦していた時代である。マディソンは、こうした時代の変化を「政治の天に輝く光」としてとらえ、情報公開と理性の力が専制を駆逐すると確信していた。
現代においても、この警句は有効である。情報が広く共有される社会では、権力者の不正や専制的行為は暴かれやすい。一方で、検閲や情報操作によって「暗闇」を作り出そうとする動きも依然として存在する。マディソンの言葉は、自由と民主主義を守るためには透明性と知識の普及が不可欠であるという普遍的な原理を示しているのである。
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