「死者と生者の間の勘定を明らかにするうえで不可欠に思われるのは、生者の負う債務が、死者によってなされた蓄積を超えないようにすることである」

- 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」
英文
”All that seems indispensible in stating the account between the dead and the living, is to see that the debts against the latter do not exceed the advances made by the former.”
日本語訳
「死者と生者の間の勘定を明らかにするうえで不可欠に思われるのは、生者の負う債務が、死者によってなされた蓄積を超えないようにすることである」
解説
この言葉は、世代間の責任と負担の均衡を示している。ジェームズ・マディソンは、現在生きる人々が過去の世代の遺産に依存して生きていることを認めつつ、その恩恵を超える過剰な負債を次世代に残してはならないと警告している。ここでの「債務」とは、財政的な借金だけでなく、社会的・政治的な責任全般を含むと解釈できる。
背景には、独立戦争後のアメリカが抱えた財政赤字の問題がある。戦費による国債や債務が積み上がり、若い国家が将来世代にどれだけ負担を残すべきかが議論された。マディソンの発言は、世代間の公平性を意識した初期のアメリカ政治思想の一端を示している。
現代においても、この警句は極めて重要である。国家財政の赤字、環境問題、社会制度の持続可能性などは、現世代が将来世代に過剰な負担を残す危険を孕んでいる。マディソンの言葉は、未来の世代が享受するべき自由や繁栄を奪わない責任を現代の我々に問いかけている。
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