「民衆の政府が民衆の情報、あるいはそれを得る手段を持たなければ、それは茶番劇か悲劇、あるいはその両方の序幕に過ぎない」

- 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」
英文
”A popular government without popular information or the means of acquiring it, is but a prologue to a farce, or a tragedy, or perhaps both.”
日本語訳
「民衆の政府が民衆の情報、あるいはそれを得る手段を持たなければ、それは茶番劇か悲劇、あるいはその両方の序幕に過ぎない」
解説
この言葉は、民主政治における情報と知識の不可欠性を鋭く指摘している。ジェームズ・マディソンは、人民の意思に基づく政府は、国民が十分な情報を持ち、それを自由に得られる環境があって初めて機能すると考えた。情報が欠ければ民主主義は見せかけだけの制度となり、やがて混乱や圧政に転じると警告している。
背景として、建国期アメリカでは識字率の向上や新聞の普及が進み、情報流通の重要性が強く意識されていた。マディソンは、自由な報道や教育の拡充を通じて市民が政治的判断を誤らないことが、共和国の存続に直結すると考えた。情報へのアクセスと教育こそが民主主義を支える基盤であるという思想が明確に示されている。
現代においても、この警句は強い意味を持つ。SNSやインターネットによって情報は氾濫しているが、同時にフェイクニュースや情報操作による混乱も広がっている。マディソンの言葉は、正確で信頼できる情報と知識の共有がなければ、民主主義は空虚な形式に堕するという普遍的な原理を示しているのである。
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