「何がこれから起こるのかを知ることは誰にもできない。それは毎回、初めてであり、ただ一度きりの出来事として起こっているのだから」

- 1924年8月2日~1987年12月1日(63歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 作家、評論家、公民権運動家
英文
”No one can possibly know what is about to happen: it is happening, each time, for the first time, for the only time.”
日本語訳
「何がこれから起こるのかを知ることは誰にもできない。それは毎回、初めてであり、ただ一度きりの出来事として起こっているのだから」
解説
この言葉は、人生や出来事の唯一性と予測不能性を示している。未来は決して完全に予見できず、起こる出来事は常にその瞬間だけのものである。人は経験から学ぶことはできても、同じ瞬間を繰り返すことはなく、だからこそ一つひとつがかけがえのない出来事となるのである。
ボールドウィンがこの洞察に至った背景には、彼が生きた社会的激動の時代がある。公民権運動や人種対立の只中で、未来は不確実であり、歴史を動かす出来事は常に「初めて」であり「唯一」であった。その予測不可能性を恐れるのではなく受け入れることが、人間の成熟に繋がると彼は示唆している。
現代においても、この言葉は意味深い。政治や社会の変化、あるいは個人の人生の転機も、決して予定調和ではない。未来の出来事は繰り返しではなく、一度きりの経験であると自覚することで、人は今をより真剣に生き、予測不能な状況をも前向きに受け止められるのである。
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