「独立した精神をこれほど不信の目で見る国において、教養ある人間になることはほとんど不可能である」

- 1924年8月2日~1987年12月1日(63歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 作家、評論家、公民権運動家
英文
”It is very nearly impossible… to become an educated person in a country so distrustful of the independent mind.”
日本語訳
「独立した精神をこれほど不信の目で見る国において、教養ある人間になることはほとんど不可能である」
解説
この言葉は、真の教育と独立した思考の切り離せない関係を強調している。教育とは単なる知識の習得ではなく、自ら考え、判断し、社会を批判的に捉える力を養う営みである。しかし、独立した精神を恐れ、疑い、抑圧する社会では、そのような教育は成立しない。結果として、知識はあっても自律的な人間は育たないのである。
ボールドウィンがこの言葉を発した背景には、アメリカ社会の同調圧力と体制への従属を促す教育がある。特に人種差別の時代、教育は人を自由にするどころか、不平等な秩序を維持するために利用されていた。独立した精神を持つ者は脅威とされ、その声は抑え込まれたのである。
現代においても、この警句は重みを持つ。権威や体制に都合のよい知識だけが強調され、批判的思考が軽視される社会では、真の意味で「教養ある人間」は育たない。独立した精神を尊重し、異なる考えを受け入れることこそが、教育を教育たらしめる条件であるとボールドウィンは告げている。
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