「人間が学ぶべき正しい対象は人間そのものではない。そして、どんな人間にとっても(たとえ聖人であっても、それを引き受けることには消極的だったのだから)、他人を支配することは最も不適切な仕事である。それにふさわしい者は百万に一人もいないし、その機会を求める者が最も適さない」

J・R・R・トールキン
J・R・R・トールキンの名言
  • 1892年1月3日~1973年9月2日
  • オレンジ自由国(イギリス人)出身
  • 作家、言語学者
  • 『ホビットの冒険』や『指輪物語』などを執筆し、現代ファンタジー文学の礎を築いた

英文

“The proper study of Man is anything but Man; and the most improper job of any man, even saints (who at any rate were at least unwilling to take it on), is bossing other men. Not one in a million is fit for it, and least of all those who seek the opportunity.”

日本語訳

「人間が学ぶべき正しい対象は人間そのものではない。そして、どんな人間にとっても(たとえ聖人であっても、それを引き受けることには消極的だったのだから)、他人を支配することは最も不適切な仕事である。それにふさわしい者は百万に一人もいないし、その機会を求める者が最も適さない」

解説

この名言は、人間の権力や他者支配に対するトールキンの批判的な見解を表している。トールキンは、他者を支配することは本質的に人間の本分ではなく、非常に危険な行為だと考えていた。この言葉には、権力の腐敗やそれを求める者への警戒が込められている。特に、権力を望む者ほど権力を持つべきでないという洞察は、『指輪物語』における指輪の象徴とも深く関連している。

『指輪物語』では、指輪が権力そのものの象徴として描かれ、それを望む者ほど堕落しやすいというテーマが強調される。フロドやサムのような人物が指輪の力に耐えられるのは、彼らがその力を望まず、権力に対して慎重だからである。この名言は、真の謙虚さと自己制御がなければ、他者を導くことは不可能であるというトールキンの思想を象徴している。

現代社会においても、この言葉は普遍的な教訓を提供する。権力を追求するリーダーがしばしば自己利益を優先し、本来の役割を果たさないという現実に警鐘を鳴らしている。リーダーシップは謙虚さと責任感を伴うものであり、それを求めすぎる者ほど適任ではないことを、この名言は力強く訴えている。トールキンの洞察は、時代を超えて政治や社会のあり方を考える上で重要な指針となる。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


関連するタグのコンテンツ

教育と学び

申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る