「もしできるなら、シャイアを救いたいと思う。しかし時には、その住人たちが言葉にできないほど愚かで退屈に感じ、地震やドラゴンの侵略が彼らのためになるかもしれないと思ったこともある」
- 1892年1月3日~1973年9月2日
- オレンジ自由国(イギリス人)出身
- 作家、言語学者
- 『ホビットの冒険』や『指輪物語』などを執筆し、現代ファンタジー文学の礎を築いた
英文
“I should like to save the Shire, if I could – though there have been times when I thought the inhabitants too stupid and dull for words, and have felt that an earthquake or an invasion of dragons might be good for them.”
日本語訳
「もしできるなら、シャイアを救いたいと思う。しかし時には、その住人たちが言葉にできないほど愚かで退屈に感じ、地震やドラゴンの侵略が彼らのためになるかもしれないと思ったこともある」
解説
この名言は、トールキンの作品『指輪物語』におけるフロド・バギンズの感情を反映しているが、同時に愛情と批判が共存する複雑な感情を表現している。フロドは故郷シャイアへの愛を抱きながらも、その平和で静かな環境が時に退屈で変化を恐れる性質を持つことを批判的に捉えている。このような感情は、愛するものや守るべきものに対するリアルな視点を提供している。
トールキンはシャイアを、イギリスの田園風景やその文化の象徴として描いたとも言われる。シャイアの住民は平和を享受しているが、それが彼らを保守的で変化に鈍感にしている一面を持つ。この名言に込められた風刺は、平和の中で怠惰になりやすい人々の性質を指摘しており、真の危機が人々を目覚めさせる可能性を示唆している。
現代社会において、この言葉は安定した環境にいる人々が陥りがちな無関心や惰性に対する警鐘としても読める。フロドの感情は、愛するものを守るために変化や危機を受け入れる勇気の必要性を示している。守るべきものへの愛情と批判的視点を両立させることが、真の責任感を育むという教訓を、この名言は教えている。
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