「日本は確かに過去の戦争でアジアの国々に迷惑もかけただろう。しかしながらいつまでもそのことだけにとらわれ、形式的に頭を下げ続けるだけの姿勢では何の関係の発展も望めない」

- 1932年9月30日~2022年2月1日(89歳没)
- 日本出身
- 第14~17代東京都知事、作家、政治家
原文
「日本は確かに過去の戦争でアジアの国々に迷惑もかけただろう。しかしながらいつまでもそのことだけにとらわれ、形式的に頭を下げ続けるだけの姿勢では何の関係の発展も望めない」
解説
この言葉は、石原慎太郎が歴史認識と外交姿勢の在り方について述べたものである。彼は、日本が過去の戦争においてアジア諸国に被害を与えた事実を認めつつも、過剰に謝罪を繰り返すだけでは建設的な国際関係は築けないと主張している。石原は、謝罪を必要とする場面はあるものの、それが外交の中心になるべきではなく、未来志向の協力関係こそが重要だと考えていた。
この発言の背景には、戦後日本の外交が戦争責任問題に繰り返し直面し、そのたびに謝罪表明を行ってきた経緯がある。特に日中・日韓関係では、歴史認識の相違が度々摩擦を生み、経済・安全保障・文化交流などの分野での進展を阻む要因となっていた。石原は、これを打開するには、謝罪の形式を超えて、互恵的で現実的な関係構築に踏み出す必要があると考えていた。
現代への応用として、この言葉は国際関係全般に通じる。過去の出来事を正確に認識しつつも、その記憶を未来志向の行動に結びつける戦略が求められる。例えば、歴史教育や記念行事で過去を伝えつつ、経済協力や環境対策、防災支援などの分野で積極的な共同事業を展開することが、真の関係発展につながると言える。
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