「アメリカのアイデンティティーは自由。フランスは自由と博愛と平等。日本はそんなものはない。我欲だよ。物欲、金銭欲」

石原慎太郎の名言・格言・警句(画像はイメージです)
石原慎太郎の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1932年9月30日~2022年2月1日(89歳没)
  • 日本出身
  • 第14~17代東京都知事、作家、政治家

原文

「アメリカのアイデンティティーは自由。フランスは自由と博愛と平等。日本はそんなものはない。我欲だよ。物欲、金銭欲」

解説

この言葉は、石原慎太郎が国家の価値観や国民性の違いについて語ったものである。彼は、アメリカやフランスには建国理念や歴史的背景から生まれた明確な国民的アイデンティティーが存在すると指摘し、それぞれ「自由」や「自由・博愛・平等」といった理念を掲げていると述べる。一方で日本については、そうした理念的基盤が希薄であり、自己中心的な欲望、特に物欲や金銭欲が国民性の中核になっていると批判している。

この発言の背景には、戦後日本の急速な経済成長と、それに伴う物質主義・拝金主義の蔓延がある。高度経済成長期以降、日本社会は豊かさを実現した一方で、国家や社会の理念的基盤の構築には十分な議論がなされなかった。石原は、この状況を文化的な貧困や精神的空洞化とみなし、理念なき豊かさは脆弱であると警告していたと考えられる。

現代への応用として、この言葉は日本における国家理念の不在と価値観の再構築の必要性を示唆している。経済的成功だけでなく、教育・文化・社会制度を通じて国としての方向性や共有すべき価値観を形成しなければ、長期的な国力や社会の結束は維持できない。石原の発言は、物質的繁栄の裏に潜む精神的課題を浮き彫りにしている。

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