「日本は世界の進運に從い、統制主義國家として新生してこそ過去に犯した世界平和攪亂の罪を正しく償い得るものである」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「日本は世界の進運に從い、統制主義國家として新生してこそ過去に犯した世界平和攪亂の罪を正しく償い得るものである」
解説
この言葉は、石原莞爾が日本の戦後的な在り方を「統制主義国家としての新生」に求めた発言である。彼は、日本が過去に世界平和を乱した責任を償うには、単に敗戦を受け入れるのではなく、人類史の大きな流れである統制主義の時代に適応し、新たな国家像を築くことが必要であると考えた。つまり、統制主義の実現を歴史的必然とみなし、その方向性に沿うことでこそ贖罪が果たされると主張したのである。
背景には、石原が説いた「最終戦争論」と「統制主義の時代」という歴史観がある。彼は人類社会の発展を「専制 → 自由 → 統制」という流れで捉え、20世紀は統制主義が不可避であると見ていた。したがって、日本が新しく歩み出すには、自由主義や覇道的膨張ではなく、統制に基づく国家再建が必要であると考えた。この思想は敗戦後の状況を見据えた歴史的反省の一端ともいえる。
現代から見ると、この言葉は時代の制約を強く帯びている。日本は戦後、自由主義・民主主義の体制を選択したが、それでも経済や社会の一部において、危機時には統制が強化される傾向がある。石原の言葉は、過去の過ちを償うには新しい国家像の提示が不可欠であるという普遍的な指摘としても受け取れる。つまり、歴史の流れを直視し、それに即した国家再建を通じてこそ、真に罪を贖うことができるという警句である。
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