「我等は本文に強調したるごとく、東亞の地方性にもとづき、現實に即したる正しき統制主義の指導原理を具体化することによつてのみ、よく世界の平和と進運に寄與し得るであろう」

石原莞爾(画像はイメージです)
  • 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
  • 日本出身
  • 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家

原文

「我等は本文に強調したるごとく、東亞の地方性にもとづき、現實に即したる正しき統制主義の指導原理を具体化することによつてのみ、よく世界の平和と進運に寄與し得るであろう」

解説

この言葉は、石原莞爾が東アジアの特質に根ざした統制主義こそが、世界の平和と進歩に貢献しうる道であると主張したものである。彼は、統制主義を普遍的な理念として語るだけではなく、必ず地域の歴史・文化・社会条件に即して具体化すべきだと考えていた。すなわち、東アジアの地方性を基盤とする独自の統制主義の実践が、人類全体の未来に寄与すると捉えていたのである。

背景には、石原が欧米列強の覇権主義を批判しつつ、日本と東アジアが世界史的使命を担うべきだとする思想がある。彼は、西洋の模倣ではなく、東アジア的価値観や社会構造に適合した統制主義を打ち立てることが重要であると強調した。これは彼の「最終戦争論」や「東亜的秩序」構想の延長線上にある発想であり、地域主義的な世界観を反映している。

現代の視点から見ても、この言葉は一定の意義を持つ。グローバル化が進展する一方で、各地域の固有性を尊重しなければ対立や摩擦が生じる。環境問題や経済協力、安全保障の分野においても、地域の特質を踏まえた制度設計が世界的な安定に不可欠である。石原の言葉は、地域的価値と普遍的理想を結びつける重要性を示しており、今日の国際秩序を考える上でも示唆に富むものである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「石原莞爾」の前後の名言へ

申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る