「我等は國共いづれが中國を支配するかを問わず、常にこれらと提携して東亞的指導原理の確立に努力すべきである」

石原莞爾(画像はイメージです)
  • 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
  • 日本出身
  • 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家

原文

「我等は國共いづれが中國を支配するかを問わず、常にこれらと提携して東亞的指導原理の確立に努力すべきである」

解説

この言葉は、石原莞爾が中国における政権の帰趨にかかわらず、日本は中国と提携して東アジアの新しい秩序を築くべきだと説いたものである。彼は、国民党か共産党かという支配政権の違いは本質的問題ではなく、むしろ重要なのは東アジア全体を導く共通の原理を確立することであると考えていた。ここには、対立よりも協調を重視する姿勢が表れている。

背景として、当時の中国は国民党と共産党の内戦状態にあり、日本は満州事変や日中戦争を通じて中国と対峙していた。しかし石原は、単なる覇権主義ではなく、東アジア全体の指導理念を共に作り上げることこそが日本の進むべき道と捉えていた。この発想は彼独自の「東亜協同体」的な構想であり、西洋列強の覇権に対抗するために東アジアの団結を重視していた点に特色がある。

現代から見れば、この言葉は時代的制約を帯びつつも、地域協力と共通理念の重要性を先取りしたものと評価できる。今日の国際社会においても、経済・安全保障・環境問題の解決には地域的な協調が不可欠である。石原の発言は、東アジアの統合を帝国主義的な支配ではなく、理念的な連帯によって実現すべきだという方向性を示すものとして、現代的に読み替えることが可能である。

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