「我等は今や、超階級の政治の要望せらるべき時代を迎えているのである」

石原莞爾(画像はイメージです)
  • 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
  • 日本出身
  • 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家

原文

「我等は今や、超階級の政治の要望せらるべき時代を迎えているのである」

解説

この言葉は、石原莞爾が社会の階級対立を超越した政治の必要性を強調したものである。彼は、資本家と労働者といった階級的利害の衝突を基盤とする政治では、総力戦の時代に対応できないと考えた。したがって、国家の生存をかけた新時代にふさわしいのは、特定階級の利益を超えた「超階級的政治」であると主張したのである。

背景には、20世紀前半の世界的な社会不安がある。西欧ではマルクス主義による階級闘争が広がり、ソ連は共産主義国家として階級政治を徹底していた。一方で日本を含む多くの国々は自由主義や資本主義の矛盾に直面していた。石原はそのどちらにも偏らず、階級を超えた統制主義的体制こそ新時代の要請であると位置づけたのである。

現代の視点から見ると、この言葉は依然として意義を持つ。グローバル化や経済格差の拡大により、階級対立や社会的分断は再び深刻な課題となっている。しかし同時に、地球環境問題や感染症対策といった課題は、階級や国境を超えた協力を必要とする「超階級的」課題である。石原の言葉は、特定の利害にとらわれず、社会全体の利益を優先する政治の必要性を示すものとして、現代にも通じる警句といえる。

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