「專制から自由え、自由から統制えの歩みこそ、近代社會の發展において否定すべからざる世界共通の傾向ということができる」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「專制から自由え、自由から統制えの歩みこそ、近代社會の發展において否定すべからざる世界共通の傾向ということができる」
解説
この言葉は、石原莞爾が人類社会の発展を大きな流れとして捉えた歴史観を示している。彼は、社会はまず「専制」から「自由」へと移行し、さらに「自由」から「統制」へと進むと考えた。これは一国や一地域に限られた現象ではなく、世界共通の歴史的傾向として理解されるべきだと述べている。
背景には、近代史における専制君主制から市民革命による自由主義の確立、そして20世紀の総力戦体制や計画経済への移行という現実がある。石原は、この歴史の流れを偶然の産物ではなく、社会の発展段階として必然的に生じるものと捉えた。自由主義は一時的な繁栄をもたらすが、国家間競争や戦争の激化の中で、やがて統制へと収束するという見通しである。
現代においても、この視点は再考に値する。グローバル化や情報化が進んだ社会において、自由な市場経済が基本でありながら、危機の際には国家の統制が強まる傾向が見られる。例えば金融危機やパンデミック、環境問題においては、自由から統制への転換が不可避の流れとして現れる。石原の言葉は、近代社会の発展を単線的に「自由の拡大」と捉えるのではなく、その先にある統制の時代をも視野に入れるべきだという歴史的洞察を提示している。
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