「国民皆兵であり整然たる戦術によって、この時代の戦争は決戦的色彩を帯びておりました」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「国民皆兵であり整然たる戦術によって、この時代の戦争は決戦的色彩を帯びておりました」
解説
この言葉は、石原莞爾が古代戦争の性格を「決戦的」であると規定したものである。ギリシャやローマの市民軍は国民皆兵で構成され、一定の戦術に基づいて整然と戦場に臨んだ。そのため戦争は長期的な消耗戦ではなく、一度の大会戦によって勝敗が決する「決戦戦争」の色彩を強く持っていたと指摘している。
背景として、古代ギリシャのファランクス戦術やローマの軍団戦術は、秩序正しい布陣と兵士の統制によって大規模な戦闘を可能にした。石原はこれを、国家の在り方と戦争の形態の関係性として捉え、国民皆兵と整然たる戦術が決戦性を生み出したと理解したのである。ここには、戦争の性格が社会制度と技術的条件に左右されるという歴史観が示されている。
現代の視点から見ても、この指摘は示唆的である。今日の戦争は必ずしも短期決戦ではなく、経済・情報・外交を含む総力戦や持久戦の形を取ることが多い。しかし一方で、電撃戦や精密兵器による短期決着を狙う戦略は今なお存在する。石原の言葉は、古代の「決戦性」と現代の戦争の変化を比較することで、戦争の本質を見極める視座を与えている。
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