「人類歴史は統制主義の時代にある」

- 1889年1月18日~1949年6月15日(60歳没)
- 日本出身
- 陸軍軍人、戦略家、思想家、著述家
原文
「人類歴史は統制主義の時代にある」
解説
この言葉は、石原莞爾が20世紀の人類社会を「統制主義の時代」と規定したものである。彼は、自由主義や個人主義の段階を経た人類が、総力戦の時代に突入することで、国家が経済・社会・文化を統制しなければ立ち行かなくなると考えた。つまり、戦争と近代社会の発展が統制主義を必然化したという認識である。
背景として、1930年代から40年代の世界はファシズム国家の台頭、ソ連の計画経済、アメリカのニューディール政策など、自由市場から統制経済へと移行する動きが顕著であった。石原はこれを一時的現象ではなく、人類史的な必然として捉え、戦争に耐える国家は必然的に統制体制を強化するだろうと考えた。この視点には、総力戦を経験した軍人としての現実的洞察が込められている。
現代においても、この言葉は新たな意味を持つ。感染症対策や地球環境問題、国際経済危機などにおいて、国家が市場や個人の自由を超えて統制を行わざるを得ない場面が現れているからである。石原の言葉は、自由と統制の揺れ動きの中で、人類が歴史的にどのような段階にあるのかを考える契機を与えており、現代社会における統制と自由のバランスを見直す上でも示唆に富む。
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