「コンピューターの非人間的な部分の一つは、一度適切にプログラムされ、円滑に動作すると、完全に正直であることだ」

アイザック・アシモフ
アイザック・アシモフの名言
  • 1920年1月2日~1992年4月6日
  • ロシア出身
  • 作家、生化学者(教授)
  • 『ファウンデーション』シリーズや『ロボット工学』シリーズなど、多数のSF作品を執筆した

英文

“Part of the inhumanity of the computer is that, once it is competently programmed and working smoothly, it is completely honest.”

日本語訳

「コンピューターの非人間的な部分の一つは、一度適切にプログラムされ、円滑に動作すると、完全に正直であることだ」

解説

この名言は、コンピューターが持つ特性と、それが人間社会に及ぼす影響を鋭く描写している。アイザック・アシモフは、コンピューターが人間的な曖昧さや感情を持たず、事実をそのまま提示する「正直さ」を持つことが、時に人間にとって不都合なものとなり得ると指摘している。この「正直さ」は、人間の主観や感情に寄り添う余地を持たないため、「非人間的」と感じられるのだろう。

アシモフがこの言葉を述べた背景には、コンピューターがまだ発展途上でありながらも、徐々に社会の重要な部分に組み込まれつつあった時代がある。彼は、コンピューターが持つ計算や分析の正確さを評価する一方で、その冷徹さが人間の感情や道徳観と衝突する可能性にも注意を促している。この「完全な正直さ」は、データや結果をそのまま提示するだけでなく、間違いや欠陥を容赦なく暴露する点でも、人間にとって厳しい現実を突きつけるものとなる。

現代においても、この名言は有効である。AIやアルゴリズムが社会のさまざまな分野で活用される中で、それらの「正直さ」が人間のバイアスや感情と衝突することがある。たとえば、AIが採用や診断の判断を下す際、厳格な基準に基づく結果が人間的な配慮を欠いていると感じられる場合がある。アシモフの言葉は、テクノロジーの正確さと人間らしさのバランスを考える必要性を私たちに示している。コンピューターの正直さは、その力であると同時に課題でもあるという深い洞察が込められている。

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