「形而上学とは、岸も灯台もない暗い海であり、数多くの哲学の残骸が散らばっている」

イマヌエル・カント
イマヌエル・カントの名言
  • 1724年4月22日~1804年2月12日
  • ドイツ(東プロイセン)出身
  • 哲学者
  • 代表作「純粋理性批判」や「実践理性批判」を通じて、理性の限界や道徳の基礎を探求し、現代哲学に多大な影響を与えた

英文

“Metaphysics is a dark ocean without shores or lighthouse, strewn with many a philosophic wreck.”

日本語訳

「形而上学とは、岸も灯台もない暗い海であり、数多くの哲学の残骸が散らばっている」

解説

この名言は、カントが形而上学という哲学分野の難解さや危険性を比喩的に表現したものである。形而上学は、存在や認識、神、自由といった理性では解き明かすことが困難なテーマを扱うため、しばしば迷いや行き詰まりに陥りやすい。岸や灯台がない暗い海に例えられているように、形而上学の探究には方向性を見失うリスクが伴い、多くの哲学者が難解な問題に取り組み、答えを見出せないまま終わってしまうことがある。

現代においても、形而上学は科学では解決できない根源的な問いを扱う領域として続けられているが、依然として不確かさを伴う分野である。たとえば、意識の本質や自由意志の問題といった問いは、科学的手法では十分に説明できず、哲学的な考察が必要とされるが、明確な答えが得られないことが多い。カントの指摘は、形而上学を慎重に取り扱うべきであるという警告としても受け取ることができる。

この名言は、謙虚さを持って形而上学に向き合う姿勢を教えている。確実な結論が得られないことを前提に、慎重に理性を働かせ、問いを深めることで、形而上学的な探究がより意義深いものとなる。

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