キング牧師「私はただ神の意志を行いたい。そして神は私に山に登ることを許してくださった。私はその先を見渡し、約束の地を見たのだ!私があなたたちと一緒にそこにたどり着けないかもしれないが、今夜、皆に知ってほしい。我々は一つの民として約束の地に必ずたどり着くのだ」

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
  • 1929年1月15日~1968年4月4日
  • アフリカ系アメリカ人
  • 牧師および公民権運動の指導者
  • アメリカにおける人種差別撤廃運動を指導し、公民権法の成立に貢献した

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア – Wikipedia

英文

“I just want to do God’s will. And he’s allowed me to go to the mountain. And I’ve looked over, and I’ve seen the promised land! I may not get there with you, but I want you to know tonight that we as a people will get to the promised land.”

日本語訳

「私はただ神の意志を行いたい。そして神は私に山に登ることを許してくださった。私はその先を見渡し、約束の地を見たのだ!私があなたたちと一緒にそこにたどり着けないかもしれないが、今夜、皆に知ってほしい。我々は一つの民として約束の地に必ずたどり着くのだ」

最初に

この名言は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが1968年にメンフィスで行った最後の演説「I’ve Been to the Mountaintop(私は山の頂に行った)」の中で述べられたものである。彼は、自らの運命を悟りながらも、公民権運動においての最終的な勝利と人々の解放に対する確信を示した。

解説

キング牧師は、自分自身の死を予感しながらも、自らの使命に対する揺るぎない信念を表明している。彼は、神の意志に従い、正義と平等のために戦い続けてきたが、その結果を自分自身で目にすることはできないかもしれないと考えていた。しかし、彼はそれを悲観するのではなく、希望に満ちたメッセージを伝えている。

「山に登り、約束の地を見た」という比喩は、聖書のモーセの物語を引用している。モーセはイスラエルの民を約束の地に導く指導者であったが、自らはその地に足を踏み入れることなく亡くなった。この話を通じて、キング牧師は自分が最終的な勝利を見ることができなくても、彼の活動が人々を導き、最終的に平等と正義をもたらす道を開いているという確信を示している。

彼は、自分一人の成功や達成よりも、全体としての勝利と解放に焦点を当てている。「私はそこにたどり着けないかもしれないが、私たちは一つの民として約束の地にたどり着く」という言葉は、個人の栄光よりも共同体全体の目標達成が重要であるという彼の信念を表している。このメッセージは、公民権運動の一環として、人種差別や不平等に対する戦いがどれほど困難であっても、最終的な勝利を確信するものである。

結論

キング牧師のこの名言は、自己犠牲と共同体のための奉仕の精神を強調している。彼は、自分が最終的な勝利を見届けることができないかもしれないことを理解していたが、それでもなお人々に対して希望を持ち続け、約束の地にたどり着くことを信じていた。このメッセージは、困難に直面してもあきらめず、全体としての目標に向かって前進することの重要性を私たちに教えている。