キング牧師「私は権力そのものには興味がない。私が関心を持つのは、道徳的であり、正しく、善である権力だ」

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
  • 1929年1月15日~1968年4月4日
  • アフリカ系アメリカ人
  • 牧師および公民権運動の指導者
  • アメリカにおける人種差別撤廃運動を指導し、公民権法の成立に貢献した

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア – Wikipedia

英文

“I am not interested in power for power’s sake, but I’m interested in power that is moral, that is right and that is good.”

日本語訳

「私は権力そのものには興味がない。私が関心を持つのは、道徳的であり、正しく、善である権力だ」

最初に

この名言は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが権力に対する彼の姿勢とその目的を明確にしたものである。彼は、単なる権力の追求に価値を見出すのではなく、道徳的な正しさと善に基づいた権力を重視していることを強調している。

解説

キング牧師は、権力がその目的や使用方法によって大きく異なる性質を持つことを理解していた。彼は、権力を持つこと自体に価値があるのではなく、それがどのように使われるかが重要であると考えていた。権力は、人々を抑圧したり、個人の利益を追求するために使われることもあれば、社会正義や平和の実現のために使われることもある。キング牧師は、後者の「道徳的であり、正しく、善である」権力にこそ価値があると主張している。

「道徳的であり、正しく、善である権力」とは、他者を傷つけたり抑圧したりするのではなく、社会の全体的な利益のために行使される権力のことを指している。この権力は、倫理的な基準に基づいており、平等や公正、共感といった価値観を実現するために使われるべきものである。キング牧師の公民権運動においても、彼は権力を利用して人種差別や不平等に立ち向かい、人々により良い未来をもたらすことを目指していた。

彼の考えでは、権力は目的ではなく、手段である。権力が持つ本当の価値は、それが正義や善のために使われるかどうかにかかっている。この視点は、単に力を持つことが目的となる政治や社会に対する批判でもあり、権力を持つ者に対して、その使用方法についての責任を求めるメッセージでもある。

結論

キング牧師のこの名言は、権力を持つこと自体に価値を見出すのではなく、その権力が正しい目的のために使われることが重要であるというメッセージを伝えている。道徳的で、正しく、善である権力は、社会の改善と正義の実現に役立つものであり、そうした権力のみが真に価値のあるものであるという彼の信念が表れている。この教えは、現代のリーダーシップや権力の行使においても、倫理的な指針として重要な意義を持っている。