「実際には二つのものがある。科学と意見である。前者は知識を生み、後者は無知を生む」

- 紀元前460年頃~紀元前370年頃
- 古代ギリシャ出身
- 医師、医学教師、哲学者
- 「医学の父」と称され、病気を自然現象として理解しようとした最初期の人物の一人。ヒポクラテスの誓いは医療倫理の基盤として今日まで受け継がれている。観察と記録に基づく診断を重視し、近代医学の礎を築いた。
英文
“There are in fact two things, science and opinion; the former begets knowledge, the latter ignorance.”
日本語訳
「実際には二つのものがある。科学と意見である。前者は知識を生み、後者は無知を生む」
解説
この名言は、知識の源泉としての科学と、誤解や偏見を生む意見とを対比している。科学は経験と検証を重ねて体系化されたものであり、客観的真理に近づく手段であるのに対し、意見は主観に依拠し、しばしば無根拠な主張や誤った理解を助長する。古代ギリシャの医師であるヒポクラテスが、医学を単なる呪術や信仰から切り離し、合理的で実証的な学問へと発展させようとした姿勢が反映された言葉である。
紀元前5世紀のヒポクラテスの時代には、病気は神々の罰や霊的な要因とされていた。彼はそうした迷信を排し、観察と論理的思考に基づいた診断と治療を説いた。このようなアプローチが後世における科学的方法の基礎を形づくったとされる。したがって、この言葉は単に医療分野だけでなく、あらゆる知識体系の基盤としての科学の意義を示している。
現代においても、SNSやインターネットを通じて無数の意見が飛び交い、誤情報が拡散しやすい状況にある。この言葉は、我々が情報を受け取る際に、意見と証拠の区別を明確にする必要があることを教える。例えば、ワクチンに関する科学的知見と、個人の不安や誤った理解に基づく意見とを混同することは、社会全体の健康に重大な影響を与えかねない。ゆえに、この名言は今なお科学的リテラシーの重要性を訴える警句として生き続けている。
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