「同じことを何度も繰り返すのは、単なる退屈ではない。それは自分が行動を支配するのではなく、行動に支配されているということだ」

- 紀元前540年頃~紀元前480年頃
- 古代ギリシャ出身
- 哲学者
英文
”To do the same thing over and over again is not only boredom: it is to be controlled by rather than to control what you do.”
日本語訳
「同じことを何度も繰り返すのは、単なる退屈ではない。それは自分が行動を支配するのではなく、行動に支配されているということだ」
解説
この言葉は、習慣や惰性に流される生き方への批判として読むことができる。単調な繰り返しは退屈を生むだけでなく、本来自分が主導すべき行動に自らを明け渡してしまう危険性を含んでいる。つまり、行動が無意識的・機械的になるとき、人は自由意志を失い、自律的な存在ではなくなるという警告が込められている。
この考え方は、ヘラクレイトスの「変化」への賛美と通じるところがある。彼は、変化し続けることが生命の本質であり、意識的に変化を受け入れ行動することが真の主体性であると考えた。行動を繰り返すことで安定を得ることも一つの知恵ではあるが、無批判な繰り返しは思考を停止させ、自らの人生の舵を手放すことにつながる。
現代においてこの名言は、惰性のルーチンワークやマンネリ化した生活への警鐘として有効である。自己の行動を常に省みて、それが意図的な選択なのか、ただの惰性なのかを問い直すことが重要である。日常の中に意識的な変化や工夫を取り入れることで、自分自身を再び行動の主体へと取り戻すことができるのだ。この言葉は、生き方における能動性と覚醒を促す哲学的な促しである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「ヘラクレイトス」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い