「神は昼と夜、冬と夏、戦争と平和、飽きと飢えである」

- 紀元前540年頃~紀元前480年頃
- 古代ギリシャ出身
- 哲学者
英文
”God is day and night, winter and summer, war and peace, surfeit and hunger.”
日本語訳
「神は昼と夜、冬と夏、戦争と平和、飽きと飢えである」
解説
この言葉は、ヘラクレイトスの統一と対立の哲学を象徴的に表している。ここでの「神」とは、人格神ではなく、万物を貫く理法(ロゴス)や存在の本質そのものと理解すべきである。彼は、相反するものが世界の秩序を成り立たせていると考えており、光と闇、寒と熱、闘争と調和、充足と欠乏といったすべての対立するものが、神的な秩序の一部として共に存在していると述べている。
この思想は、一元論的な神観や善悪二元論への批判的視点でもある。伝統的には神は善や光と結びつけられるが、ヘラクレイトスにとってはすべての側面が「神」的であり、対立こそが調和を生み出す源泉である。すなわち、対立は秩序の混乱ではなく、世界の根本的な構造であり、神とはまさにその変化と循環を担う存在なのである。
この名言は、現代にも通じる包括的で多元的な世界観を示している。善と悪、幸福と苦悩のような極端な価値判断を超えて、対立の中にある連続性や必要性を見出す視点は、個人の内面的な成長や社会的な理解にも応用できる。すべてのものは対立しながらも繋がっているという認識は、分断や対立が顕著な現代において、寛容と統合への鍵を与えてくれるだろう。
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