「金のためだけに何かをしたということは、本当に怠惰であったということだ」

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1817年7月12日~1862年5月6日
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者

英文

“To have done anything just for money is to have been truly idle.”

日本語訳

「金のためだけに何かをしたということは、本当に怠惰であったということだ」

解説

この言葉は、動機が金銭に限られている行為は、いかに見かけ上は忙しく見えても、内面的には何もしていないに等しいという批判を含んでいる。ソローにとって、「働く」とは単なる労働ではなく、精神的な目的や内なる価値と結びついた創造的行為でなければならない。したがって、金銭欲だけを原動力とする行動は、人間の本質的な働きから逸脱した空虚な営みにすぎない。

この思想は、産業化が進む19世紀アメリカにおいて、人々が生活の糧を得るために精神を消耗する現実に対する強い警告として現れた。ソローは『ウォールデン』において、物質的な豊かさを追い求めることが、いかに人間を不自由にし、真の自由と幸福から遠ざけるかを描いた。金銭を目的とする生は、実のところ最も不毛な時間の使い方であるという主張である。

現代においてもこの名言は、キャリアや仕事における意義と目的を問い直す強い言葉として通用する。収入の多寡ではなく、自分の価値観や情熱とつながる活動を追求することが、真に「働く」ということの意味である。ソローは、金に支配された労働こそが真の怠惰であると喝破し、内面的な誠実さを基準に生きる道を示している。

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