「いくつかの営みは、完全に詩的で真実でなくとも、少なくとも私たちの知るよりも高貴で繊細な自然との関係を示唆している。たとえば、養蜂のように」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“There are certain pursuits which, if not wholly poetic and true, do at least suggest a nobler and finer relation to nature than we know. The keeping of bees, for instance.”
日本語訳
「いくつかの営みは、完全に詩的で真実でなくとも、少なくとも私たちの知るよりも高貴で繊細な自然との関係を示唆している。たとえば、養蜂のように」
解説
この言葉は、人間の営みの中には、自然との調和を象徴するものがあるというソローの自然観を表している。ここで言う「養蜂」は、単なる仕事や趣味にとどまらず、自然の秩序や生命の循環と深く結びついた行為として捉えられている。ソローは、そうした行為が人間の精神に詩的な感受性や真理への感応を呼び起こす可能性を強調している。
19世紀のアメリカでは、産業化が進む一方で、自然と人間との距離が急速に広がっていた。そうした時代背景の中で、ソローは『ウォールデン』を通して、自然と直接関わる生活の価値を唱えた。養蜂のような営みは、単に自然を利用するのではなく、自然との協力関係を築くものであり、それゆえに「高貴で繊細な関係」を象徴する。
現代においても、都市化された生活の中で自然とのつながりを求める動きは盛んである。ガーデニングや自然農法、あるいは実際の養蜂などは、単なる趣味や生産手段を超えた意味を持つようになっている。ソローのこの言葉は、自然との関係の中に人間性の回復や精神的な豊かさを見出す視点を、今なお私たちに示しているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い